活動ビジョン
新田の風がめざす3つのイメージ
新田の風がどんなことをめざしているのかを分かり易く解説致します。
(1) 現在の医療・福祉の取り組みの問題点
現在の日本の高齢者対策は、要介護者となってはじめて動き出す仕組みです。これでは後追いケアーをしているだけと言わざるをえません。
独居や高齢二人世帯が多くなっている現状では、要介護者になる方々は後を絶ちません。さらに要介護者に対してだけ対処するということは極めて非効率と言わざるをえません(後追い対策)。 高齢化問題を医療・福祉だけでなんとかしようということ自体到底無理な話です(経済面・マンパワーの面のすべてにおいて)。そこで私たちは次のようなことを考えました。
(2) 新田の風がめざす3つのイメージ
①入口戦略:住民の身近な存在から重症化を防ぐ
まだ介護認定を受けていない方、あるいは要支援段階の方々に対する“目くばり、心くばり”をすることで重症化する前の段階で未然に防ぐ。
①中間戦略:崖ではなくなだらかな坂に
どんなに丈夫な方でも老化はすすみ、認知症の方は進行して行きます。 これを崖から転がり落ちていくような急激な進行ではなく、地域住民の支えや医療・福祉の専門家の手助けを借りてなるべく進行の先延ばしを図り、 老いを地域全体で伴走していくという発想で共に支え合う地域づくりを目指します。
①出口戦略:終末期を住民の手に
- たとえ介護者がいない方でも、ご本人が望まれれば最後までご自宅で支えます。
そのためには、まだお元気な内に「エンディングノート」および「いのちの選択」の準備をしておきます。 - 「いのちの選択」を普及・定着させ、いざという時に役立つようにします。
(3) まとめ
ここで特定非営利活動法人法人「新田の風」がめざすことを絵にしてみました。一番大切なことは「しっかりと仲間づくり」をしておくこと。 くり返しいろんな活動に一緒に参加して仲間づくりをすることです。そこに医療・福祉の専門家が加わり、いざという時にはガッチリと支えるチームを作ります。
- まだ元気なうちは社会参加して交流
- しっかり仲間づくり要介護者となれば その人を自宅と施設で支える 支えの輪づくり(介護者がいなくとも)
- やがて自分がお世話になるときは 順番に 必要に応じて支援される
- 施設の自由化(施設であって自宅の雰囲気)自宅の施設化(自宅に支えるチームが仲間)
⇒ これらを専門家(医療、福祉)がきちんとサポート
この活動は世のため人のため、あるいはボランティア活動ではありません。実は「自分の行く末」の準備をしているのです。 「人に迷惑をかけない生き方」それも良いでしょう。しかしこれからの日本の社会ではもうそんなことを言ってはいられなくなりました。 「迷惑をかけたり、かけられたり」でいいじゃないですか。平成28年3月19日の映画会『妻の病』をご覧いただいた方はお分かりでしょう。 もう家族だけでなんとかしょうということは無理ではないでしょうか?みんなで支え支えられてやっと何とか生きていける、そんなまちにしていきましょう。 それこそが今まで私たちがめざしてきた“安心して老いを迎えられるまちづくり”なのです。